結論! 退職の意思を伝えることは違法ではないが、業者選びに注意が必要
この記事では、次の3点を「総務(会社側)の実務目線」で整理します。
- 退職代行はどこからが「違法(非弁リスク)」になりやすいのか
- 弁護士・労働組合・民間の「できること/できないこと」
- 失敗しない選び方(危ない業者の見分け方)
退職代行を利用すること自体は違法ではありません。問題になりやすいのは、業者が「交渉」まで踏み込むケース(非弁リスク)です。違法・危ない業者を選ぶとトラブルに巻き込まれる可能性があるため、慎重に選ぶことが重要です。
退職代行には大きく分けて以下の3種類があります。
- 弁護士が運営する退職代行 → 法的対応が可能なため、安心感がある
- 労働組合が運営する退職代行 → 団体交渉として会社に申入れができるが、対応できる範囲に制限あり
- 民間業者が運営する退職代行 → 交渉ができないため、希望通りに進まないこともある
それでは、詳しく比較してみましょう。
退職代行って違法じゃないの?

タックス、お前、最近の若いもんが退職代行を使うって知ってたか?

もちろん知ってるさ。退職届を出すのが気まずいとか、会社が引き止めるとか、いろんな事情があるらしいな。

俺も最初は『そんなのアリか?』って思ったけど、調べてみるとちゃんとした業者なら問題ないらしい。

そうそう。ただ、業者によっては法律的にグレーなことをしてるケースもあるんだよな。
👉法律的にグレーな業者を選んでしまうと、実際にトラブルに発展することもあります。
下記の記事では、よくある事例と安全な選び方を詳しく解説しています。


そこで、退職代行の3種類を比較してみたよ!
退職代行の3種類を徹底比較
| 項目 | 弁護士 | 労働組合 | 民間業者 |
| 退職の意思を伝える | 〇 | 〇 | 〇(伝達のみ) |
| 未払い給与・残業代請求 | 〇 | △(交渉は可能) | × |
| 有給消化の交渉 | 〇 | △(交渉は可能) | × |
| 損害賠償請求への対応 | 〇 | × | × |
| 退職トラブルの代理交渉 | 〇 | △(交渉の余地あり) | × |
| 退職拒否への対応 | 〇 | △(交渉は可能だが強制力なし) | × |
| 会社との直接交渉 | 〇 | 〇(団体交渉としての交渉) | × |
| 法的手続きの代行 | 〇 | × | × |
| 強制力(会社が無視した場合) | 〇(法的手続で解決可能) | △(交渉のみ、強制力なし) | ×(無力) |
| 料金相場 | 約5万円〜10万円程度 | 約2万円~5万円程度 ※組合費がかかる場合もある | 約2万円~3万円程度 |
※ 料金は業者によって異なるため、事前に公式サイトなどで確認することを推奨します。
👉選び方を間違えると「こんなはずじゃなかった…」と後悔するケースも少なくありません。
失敗しがちなパターンをあらかじめ知っておくと、後悔を避けられます。

退職代行の「違法」と「合法」を分ける境界線(非弁行為とは?)
退職代行そのものは違法ではありません。問題になるのは、「退職代行がどこまで踏み込んでいるか」です。
結論として、民間業者が会社と“交渉”まで行うと、非弁行為(弁護士法の趣旨に反する行為)に触れるリスクが出てきます。
※ここでいう「交渉」とは、たとえば以下のような対応です。
- 有給を何日取るか会社と条件調整する
- 未払い残業代を請求して金額や支払期日を詰める
- 退職日を会社と調整する(合意形成のやり取り)
- 損害賠償請求に対して反論し、会社と争う
この領域は、原則として弁護士(または労組の団体交渉の枠)でないと安全に対応できません。
※なお、ここで問題になるのは「退職代行業者が報酬を得て交渉すること」です。本人が自分で会社と話すこと自体が違法になるわけではありません。

でもさ、「退職します」って伝えるだけなら、民間でもいいんだよな?

そう。「退職の意思表示の伝達」だけならグレーじゃない。でも、実際は退職って、有給・退職日・書類・未払いが絡んで揉めやすい。だから「最初から弁護士」が安全なんだ。
👉非弁リスク(民間業者は交渉できない)を理解した次に気になるのは、「会社が強硬だったらどうなる?」という点です。
実務では、会社側が「損害賠償」を主張してくるケースもあり、対応を誤ると話がこじれやすくなります。請求されやすいパターンと、現実的な対処法は下記で整理しています。

労働組合の退職代行はどこまでできる?(団体交渉の枠)
労働組合の退職代行は「交渉ができる」と言われますが、ここも誤解が多いポイントです。
労働組合が交渉できるのは、あくまで労働組合法にもとづく「団体交渉」の範囲です。
つまり、以下のような労働条件に関する事項は交渉しやすいです。
- 有給休暇の取得
- 未払い賃金(支払いの要求)
- 退職日の調整(会社の協力依頼)
一方で、次のような「法的紛争の処理」は労組では対応が難しくなります。
注意点として、労働組合の退職代行は「団体交渉」による働きかけが中心です。損害賠償などの法的紛争を、代理人として整理・反論して決着まで進める役割は、基本的に弁護士の領域になります。
- 損害賠償請求をされた場合の法的反論
- 内容証明の送付や裁判手続きの代理
- 会社が強硬で話が進まないときの法的手段

つまり労組は「交渉カード」はあるけど、最後に法的に決着をつけるのは苦手ってことか。

その理解でOK。だから、揉めそう・脅されそう・請求されそうなら、最初から弁護士が安全って話になる。
違法・危ない退職代行の見分け方(総務目線チェック)
ここは総務(会社側)の実態から言うと、「これは危ない業者だな…」と分かる特徴があります。
依頼前に、最低限ここだけはチェックしてください。
- 弁護士名(事務所名)や登録番号が明記されていない
- 「絶対に即日退職できます」など断定・誇大表現が多い
- 未払い賃金や残業代の“回収”をうたっている(交渉を示唆)
- 会社との交渉を当然のように約束している
- 連絡手段がLINEのみ、運営会社情報が薄い
要するに、「退職代行なのに、交渉・回収までできます!」と強く押してくる業者は要注意です。

総務側からすると、危ない業者って実際に分かっちゃうものなんですか?

分かるよ。たとえば「有給の交渉をします」「残業代の請求をします」みたいに言ってくる業者は、会社側としても“非弁っぽいな”と警戒する。結果、揉めて長引くことがある。
このリスクを避けるなら、最初から弁護士が運営する退職代行を選ぶ方が安全です。
会社が交渉を無視したらどうなる?

会社が交渉を無視したらどうなるんだ?

その場合の対応が大きく違ってくるね。弁護士の場合は、会社との交渉を正式に代理できる。さらに、会社がまったく応じない場合は、労働審判や裁判を通じて解決を目指せるんだ。

すいません、労働審判ってなんですか?

簡単に言うと、裁判よりもスピーディーに会社とのトラブルを解決する手続きのこと。労働問題に特化していて、原則として3回以内の期日で審理され、裁判より早く決着がつくことが多いんだ。

なるほど。でも、労働組合の場合はどうなんだ?

労働組合は団体交渉を行うのがメインだね。会社は、正当な理由なく団体交渉を拒否すると「不当労働行為」と判断され得るから、無視し続けるのはリスクがある。ただ、現実には応じない会社もある。その場合は、労働委員会に“不当労働行為”として申し立てることができる。

何度もすいません。不当労働行為って何ですか?

簡単に言うと、会社が労働組合の活動を邪魔したり、団体交渉を拒否したりすることは法律で禁止されているんだよ。

なるほど。でも、弁護士と違って、最終的に強制できるわけじゃないんだよな?

そうだね。だから、すぐに決着をつけたいなら弁護士、交渉を重ねながら会社にプレッシャーをかけるなら労働組合って感じかな。
まとめ
✅ 退職の意思を伝えること自体は違法ではないが、業者によっては非弁行為にあたる可能性があるため注意が必要
✅ 民間業者は法的交渉ができないため、希望通りに進まないこともある
✅ 安心して退職したいなら、料金は少し高いが弁護士運営の退職代行を選ぶのが無難
👉「じゃあ実際、どの退職代行サービスが信頼できるの?」と気になる方も多いと思います。
弁護士が運営する信頼性の高い退職代行サービス3選をまとめた記事がありますので、ぜひご覧ください。

退職代行の選択肢はいくつかありますが、安全に退職したいなら法的対応が可能な弁護士の退職代行を選ぶのが一番安心でしょう。

